30代:病院
がんの認定薬剤師試験をうけて
日々の業務に追われる毎日だが、ありがたいことに昨年2つのがん治療認定薬剤師の認定を受けることができた。認定を受けるにあたり、自身が介入した症例の提出とがん薬物療法に関わる認定試験を合格する必要がある。
過去の自分が経験した症例を振り返ると、当時対応した患者さんの顔が鮮明に蘇ってくる。提出する症例は自身の介入が上手くいったことが多くなるが、介入したがあまり効果がなかったことももちろんたくさんある。症例を振り返ると、もう少し出来たことがあったのではないか、別の提案をした方が良かったのではと感じることは多くある。今まで関わった患者さんに対する成功体験と失敗体験のおかげで薬剤師としての自分自身の成長に繋がっているのだと強く感じた。
認定試験の勉強では、毎年どんどん新薬が開発され、新しい作用機序の薬剤も多く出てきている。ガイドラインで推奨される治療もどんどんと更新されていき、覚えないといけないことや理解しないといけないことは本当に増えていると感じる。その勉強の中でもこの薬を使っていた患者さんを思い出し、患者さんに服薬指導した内容、副作用について考えた日々や医師とディスカッションした内容はすんなりと記憶に定着していくことを感じた。
当たり前かもしれないが、自分が患者と向き合った分だけ自分の知識や薬剤師としての成長に繋がるのだと認定試験を受けることで改めて感じることができた。現在働き方改革などで業務の効率化や最低限の内容をやればいいという風潮もあると思う。けれど一人ひとりの患者さんとしっかり向き合い顔を見て行った業務が自身の力になっているのだと改めて感じることができた。この気持ちを忘れずに、患者さんとしっかり向き合って毎日の業務に向き合っていきたい。
〔2025.9.2〕