「外来がん治療認定薬剤師」のお仕事

望星薬局 久田健登さん

外来がん治療認定薬剤師に興味を持ったきっかけは?

薬局での仕事を始めてようやく慣れてきた頃です。自分の専門分野となるもの見つけて、何か勉強したいと思っていました。ちょうど同じ薬局の先輩に、日本臨床腫瘍薬学会(JASPO)の学術大会2014(幕張)に誘われて参加し、がん薬物療法の領域に興味を持ちました。

その時にJASPOがセミナーなどを開催していることも知って、セミナーのたびに参加するようになりました。セミナーに参加するうち、自分はがん薬物療法について何も知らないことに気づかされ、もっと勉強したいという思いが強くなりました。

当時は、薬局薬剤師が取得できる資格も少なく、また「外来がん治療認定薬剤師」は、長期の研修などがなく、仕事を継続しながら取得できるため、僕が目指すにはいい目標になりました。

資格の取得に向けて努力したことは?

初めて参加したセミナーは、JASPOが主催するブラッシュアップセミナーでした。こんなにレベルが高いのか!? と驚き、薬局での仕事に慣れてきたと思っていた4年目の僕にとっては、鼻っ柱を折られた感じでした。

できるだけセミナーには参加するように心がけ、セミナー当日に配布されるハンドアウトの内容を本で調べたり、逆にハンドアウトの内容を本に写したりして勉強しました。

「外来がん治療認定薬剤師」の資格を取得して何か変化を感じたことはありますか?

「認定薬剤師」という言葉を文字に起こすと一定の責任がつくんですよね。抗がん薬を初めて使う方や治療方法が変わった方に、こういう免許持っていますよ、と言うと、自分は、取得前と指導内容を変えているつもりはなくても、患者さんからは、以前よりも頼りにされていると感じています。

資格取得後は、店舗内のスタッフからも、抗がん薬について聞かれることは多くなりました。さらには、会社の中でも、認定を持っていることはみんな知っているので、違う店舗から電話がかかってきて相談されることもあります。そういった変化は感じています。

また、努力が形になったことで自分自身も変わった気がします。そういう自信ある対応が患者さんにも伝わって、患者さんからもありがとうと言われる機会が増えたのかもしれません。

今後、認定薬剤師の資格をどのように活かしていきたいですか?

後輩や周りの人に、がん領域に興味を持ってもらいたい、と言うのが一番です。そのためには自分を含めて、先輩や仲間と共に一緒に活動するようなことが必要だと思います。最近では、病院の勉強会にも呼ばれて参加するようになりました。こういった資格を活かして活動の場を広げていきたいと思います。

また、若い薬剤師たちに、がん領域に限らず、努力をすれば患者さんにありがとうと言ってもらえる機会が増えることを伝えていきたいと考えています。

最後に、資格取得を考えている人へメッセージをお願いします。

きっかけってすごく大切だと思います。ふと思ったらやってみる。先輩に聞いてみる。そういうきっかけから行動を起こさないと、時間はどんどん過ぎていくので、まずは動いてみること。動くことで、いろいろと見えないものが見えてきます。

薬剤師として未熟であればもっと研鑽すべき。小さなきっかけや、少しの興味からでもまずは動いてみてほしいです。結果はそのあとについてきます。

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印象的だった患者さんの声

先日、乳がんの患者さんに内服抗がん薬の指導をしました。

実はその患者さんは、偶然にも会社関係者の親戚にあたる方でした。僕はいつものように指導したつもりでしたが、その患者さんは帰ってから、「詳しく丁寧に薬について説明してもらった。すごい薬剤師さんがいた」と会社関係者に伝えてくれたそうです。
今ではかかりつけ薬剤師として、毎回服薬指導にあたっています。

自分が当たり前にやっている指導が、患者さんを幸せにしていることを実感し、気恥ずかしさもありつつ、とても嬉しく思いました。