JASPOレター:02

がんに関わる薬剤師のひとり言:JASPOレター

40代:病院薬剤師

薬剤師の一言で

結婚して15年も経つとLineをしても返事がないことが多々ある夫婦関係。

日曜日の午前中、いつものように長男のサッカーの試合を観に行っていたら、珍しく妻からLineが入った。「これあなたじゃない?」添付された写真を見ると、新聞にがん患者さんからの投稿があった。

「思いやり」というタイトルで女性から投稿されていた。高齢の大腸がん患者さんで、写真が趣味で治療中によく、今度はどこに花を撮りに行く。などの話を聞いていた。治療が進み、EGFR阻害薬になると、顔のブツブツなどで外出もできない。と引きこもっていた。

そんな彼に、僕がある製薬会社の写真展の応募を勧めたところ、目にキラメキが戻り前向きになれたとのことであった。患者さんのQOLが少しでも上がるようにと、伝えた一言でここまで喜んでいただけるとは思わなかった。

外来治療室での多くの世間話が無駄ではないと感じた。

 

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